オリモノが増えた、臭いがキツイ!これって性病が原因なの?

おりものには子宮や卵巣などに細菌が侵入・繁殖しないようにする働きがあります。したがって、妊娠・出産のためにセックスが増える20~30代になると、おりものの量が増えるのはごく自然なことなのです。

生理用品が原因で細菌が繁殖することも

最近のおりものシートは薄くて肌触りも良く、通気性もよいものが多いため長時間付けていても、不快感がありません。そのためおりものシートを付けていることを忘れてしまい、朝から夜の入浴時まで付けっぱなしという女性も少なくないようです。

しかし、いくら通気性が良くなったといっても、一枚のおりものシートを長時間付けていると肌がかぶれしまったり、蒸れて細菌が繁殖する原因となってしまい、カンジダ膣炎を発症してしまうこともあります。したがって、おりものシートは不快感がなくても3~4時間ごとに交換するのが理想です。特に蒸れやすい夏場は注意しましょう。

おりものが増えた、臭いがきつくなったと感じる人は、カンジダ膣炎トリコモナス膣炎などの性感染症(STD)に感染していることがあります。またおりものの色が黄色くなったり、血が混じっている場合は、これらのほかにもクラミジア感染症の可能性も考えられます。

セックスや類似性行為(オーラルセックスなど)で感染するクラミジア感染症は、性感染症の中でも感染者が最も多く、婦人科の患者さんのなかにもブライダルチェック(結婚前の婦人科検診)や不妊症の検査で約10%の人に、偶然発見されます。

妊婦さんがクラミジアに感染していると、新生児に産道感染して重篤な肺炎や結膜炎を引き起こすリスクがあるため、妊婦さんの健診では妊娠初期と9ヵ月目くらいにクラミジアの検査をします。

クラミジアは感染しても初期は自覚症状がほとんどないため、治療を受けずにそのまま放置されているケースもあります。すると子宮頸管の炎症が子宮の奥へと拡大し、最終的にはお腹の中にも広がって腹膜炎を起こしてしまい、不妊症になってしまう女性もいます。

腹膜炎になると下腹部痛、発熱、便秘・下痢を繰り返すなどの症状が現れますが、早い段階でおりものの異常や排尿時の違和感などに気が付いたら、早目に婦人科を受診して膣分泌液を検査してもらった方が安心です。陽性の場合、パートナーの男性にも泌尿器科や性病科で検査を受けてもらい、一緒に抗生物質(ジスロマックなど)で治療するようにしましょう。

クラミジア感染症に限った話ではありませんが、性感染症の主な感染ルートはセックスのため、カップルの一方に感染が見つかった場合、二人の関係にひびが入ることもあります。浮気、風俗の利用などが原因の場合は分かれる原因となることもありますし、そうでない場合でも疑心暗鬼になって関係がうまくいかなくなることもあります。

しかし、性感染症にはカンジダのように、健康な人にも存在して、体の抵抗力が低下すると不快な症状を引き起こす常在菌によるものもあります。必ずしもセックスが感染の原因とは限らないので、お互いがそのことを知っておくことが大切です。

浮気や風俗などが性感染症の原因だった場合、後ろめたいという理由でパートナーに感染を伝えない人もいるでしょう。「彼氏(彼女)は以前と同じように健康そうだから、性病は移ってないな」と自分を納得させるのは危険です。近年の性感染症は全体的に症状が出にくくなっているので、既にパートナーにも感染し、病気が進行していることもあります。

クラミジア感染症や淋病は男性、女性共に不妊の原因になりますので、感染の事実は必ず伝えて二人で検査を受けてくださいね。