膣カンジダは外陰部の強いかゆみと再発率の高さが特徴

おりものに異常(豆腐のかす状、酒粕状、カッテージチーズ状と表現される形状のおりもの)があり、外陰部に強いかゆみを伴う、かゆみは生理前に特に酷くなるなどの症状が該当する場合、最初に疑われるのが、カンジダという真菌(カビの一種)を原因とするカンジダ膣炎です。

アソコが猛烈にかゆい

カンジダ膣炎の感染ルートは「セックス」と「自己感染」です。カンジダ自体は健康な女性の皮膚や消化器官に存在しており、普段は健康に害を及ぼすことはありません。カンジダ菌は湿ったところで繁殖しやすく、酸性の状態を好みます。つまり膣の中は最も繁殖に適した場所といえます。健康な女性でも約10%はカンジダ菌が膣内に存在しているとされています。

カンジダ菌が問題になるのは、風邪、疲労の蓄積、精神的なストレスなどが原因で免疫力が低下すると、膣の自浄作用が上手く働かなくなって、カンジダ菌が繁殖し始めることです。これが自己感染です。異常に繁殖すると、外陰部の我慢できないかゆみなどの不快な症状が現れます。

抗生物質を服用した後も膣内の善玉菌が減少するため、カンジダ膣炎を発症しやすい状態にあります。そのほか、膣内が酸性になりやすい生理前、妊娠中もカンジダ菌が繁殖しやすい状態です。

カンジダ膣炎の治療には、膣錠あるいは軟膏タイプの抗真菌薬(エンペシド、オキナゾール、フロリードなど)でカンジダ菌を退治したり、外陰部のかゆみを止めるための軟膏剤を併用します。またおよそ1週間に1回の頻度で膣内で洗浄を行います。

これらの治療で完治しても、免疫力が低下すると何度でも再発を繰り返すのが、カンジダ膣炎の厄介なところです。再発を繰り返して慢性化すると、かゆみが出なくなり、性交痛(ペニスの挿入時の痛み)でしか病気の症状が現れないこともあります。

カンジダに感染したままセックスをすると、男性の亀頭に感染して亀頭包皮炎を引き起こすことがあります。パートナーの亀頭に白いブツブツやカスのようなものが付着している場合は、男女双方が検査を受けることが大切です。女性は膣分泌液を採取して顕微鏡でカンジダ菌の有無を確認します。

以前は再発の度に婦人科を受診して、薬を処方してもらう必要がありましたが、現在では以前に医師からカンジダ膣炎と診断された患者さんの再発例に限って、薬局で自己治療用のカンジダ治療薬(フェミニーナ腟カンジダ錠、メディトリート、エンペシドLなど)が購入できるようになりました。

膣内の環境改善を目的としてビデを頻繁に利用している女性も少なくないようですが、ビデは使いすぎると膣内の善玉菌まで洗い流してしまい、膣に備わっている自浄作用が逆に低下してしまう恐れがあります。