生理時の不快感をセルフケア(食事・運動・入浴)

生理周期の後半、排卵が起こってからは黄体ホルモンの影響で日中でも眠気がやってくる女性が多くなります。そうでなくても、思春期の女子は、生理中は経血が気になって眠りが浅くなりがちです。カフェインは眠りを妨げる作用があるので、就寝前はコーヒーや紅茶は飲まないようにしましょう。

生理痛に負けない生活習慣

寝る前にスマホやパソコンなどを利用するとブルーライトの影響などで、寝つきが悪くなるとされています。寝る前の時間は音楽などを聞いてリラックスし、眠くなったらベッドに入るとよく眠れます。経血が気になる人は、大きめの夜用ナプキンが安心です。日中の眠気も新しい生理周期が始まるために必要な休息とポジティブに捉えて、イライラしないで過ごしましょう。

10代から20代の女性には貧血が多く見られますが、その原因のひとつとして生理で毎月少量ずつ血液を失っていることが挙げられます。貧血はよほど悪化しない限り、息切れ、眩暈、立ちくらみなどの症状は現れません。しかし軽度の貧血では、元気が出ない、倦怠感があるなどの不調が起こります。全身の調子が悪いと、生理前の下腹部の不快感、精神的なイライラ、生理痛が強くなる傾向にあります。

貧血を避けるためには食事に気をつける必要があります。仮に生理の影響で貧血の症状がなくても、鉄分の多い食品(肉、魚、豆腐、緑黄色野菜、海藻など)を意識して食べるようにしましょう。また、生理前のイライラなどの症状にはカルシウムが豊富な小魚、ミネラルやビタミンB1が豊富なごま、玄米、ナッツ類などが適しています。

生理前になると甘いものが食べたくなることが少なくありませんが、チョコレートはカフェインが入っているので、生理前のイライラを悪化させてしまいます。また、生理前は腸の動きが鈍くなるので便秘になることもあるので、便秘になりがちな人は食物繊維の豊富な海藻、こんにゃく、豆類を積極的にとるようにしましょう。

若い女性にはダイエットという理由で、キチンと3食を食べない人もいるでしょう。しかし、ご飯やパンを食べないでいると、炭水化物が不足して血糖値が低下し、生理前のイライラが増したり、エネルギー不足で体が冷えて生理痛が悪化していしまいます。

生理中は骨盤内の血行が悪くなるため、下腹部が重苦しい、あるいは鈍い痛みを感じます。下半身の血行を良くするためには、生理中は臍(へそ)の上までくるショーツを履き、腹巻などで下腹部と腰を冷やさないようにするとよいでしょう。使い捨てカイロを下腹部や腰に貼ると楽になります。

生理中の入浴はシャワーだけで済ませたいという女性が多いですが、生理中こそゆっくり湯船に浸かって体を温めて血行をよくしましょう。経血が気になるかと思いますが、経血の量がよほど多くない限り、湯船の中に経血が出ることはありません。温泉などではタンポンを使うと安心です。経血の量が少なくなる2日目を過ぎたら、そのまま入浴することもできます。

体の芯まで温めるにはお風呂に長めに浸かっている必要がありますので、熱いお湯ではなくぬるめのお湯が適しています。また、胸までお湯につかっていると短時間でのぼせてしまいますので、胸元はお湯から出した半身浴がよいでしょう。

しかし、生理中に体調がすぐれないため入浴できないというケースもあるかと思います。外陰部に経血がついたままの状態でいると、細菌が増殖したり、嫌な臭いがすることがあります。お風呂やシャワーに入れないときは、外陰部をウォッシュレットで洗浄したり、香料が入っていないウェットティッシュでキレイに拭くとさっぱりします。また足湯も足だけでなく、全身を温めて血行を良くしますのでお風呂に入れないときにお勧めです。

生理前や生理中のスポーツは血行を改善し、むくみをとり、生理痛を軽くする効果があります。激しいスポーツは禁物ですが、そうでないなら中学生や高校生は生理で部活動を休む必要はありません。タンポンを使えば経血が漏れる心配もありませんし、もし漏れても濃い目の色の長いジャージを履いていれば外からはまずわかりません。

以下のような場合は婦人科を受診しましょう。

生理がいつも1日か2日で終わってしまう、または8日以上過ぎても終わらない。生理周期がいつも24日以内または39日以上。順調だった生理が3か月以上来ない。生理開始後3日目以降も経血量が減らない、血の塊が頻繁に混じっている。日常生活に支障をきたすほど生理痛がひどい。下腹部痛、下腹部の張り、イライラ感などの生理前の症状が強く現れる。