思春期の女子に多い生理周期の異常

約1か月の周期で妊娠に適した状態となる子宮内膜は、妊娠しなければ剥がれて、体外に排出されます。この内膜、粘液、血液の混じり合ったものが経血です。思春期の女子は、性機能が成熟する途中の段階ですので、初経後しばらくの期間は、生理の周期、量、期間などに異常が発生しやすくなっています。

自分の月経周期を把握しよう

生理が始まった日から、次の生理が始まる前日までの期間を「生理周期」といい、一般的には周期が25日~38日の範囲であれば正常とされてます。生理はいつも同じ日に来るとは限らないため、この範囲内に収まっているのであれば、6日以内のズレがあっても心配はいりません。

思春期の女子は生理周期が不安定なことが多く、初経後に規則正しい生理がある人は約50%に過ぎず、後の50%の人は3~5年の年月をかけながら、徐々に周期が安定してくるのです。一度順調になった生理周期が乱れる場合は、無排卵、黄体機能不全などが疑われるので、注意が必要です。日頃から自分の手帳に生理の開始日、持続日数、生理の時につらかったことなどをメモしておくと、異常が生じた時に、婦人科の医師にとって大変役に立ちます。

生理の周期が24日以内と短くなるのが、「頻発月経」と呼ばれている状態です。思春期の頻発月経は無排卵性によるものが多く、時期が来れば自然に周期が安定してきます。排卵があるのに、頻発月経である場合は、黄体機能不全が考えられます。

度重なる出血による貧血や、ストレスにも注意する必要がありますが、不正出血を頻発月経と勘違いしてしまい、婦人科の受診が遅れることもありますので、自己判断をしないで、婦人科の医師に相談しましょう。

頻発月経とは反対に、生理周期が39日以上と長引くのが、「稀発月経」です。無排卵、もしくは卵胞期の延長によって起こりますが、無理なダイエットや急激な肥満などが原因となることもあります。初経後、まだ生理周期が安定していない人は、治療の必要はありません。しかし、生理は順調だったのに3か月以上生理が来ない場合は、次に挙げる「続発性無月経」が疑われるため、婦人科で診察してもらいましょう。

「続発性無月経」は、これまであった生理が3か月以上停止している情愛です。脳の中枢の機能低下が主な原因ですが、激しいスポーツ、無理なダイエット、肥満なども原因となります。